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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第5章 7月『ピアノとBBQ』








(視点)




「………なんなんだよ、もう!!!」

ピアノを拳で叩く。

不協和音が耳に響いた。




「……………くそっ」


イライラしてピアノから手を話す。
今日はもうやめよう。

これ以上ここにいても僕の気分は晴れない。


「……………はぁ。」


楽譜は散らかりっぱなしで
ピアノも開けっ放し。

そんなのお構い無しに僕は小屋を出た。











「坊っちゃま、
おやつの準備ができましたよ。
召し上がりますか?」


ダイニングに入ると、キッチンで
家政婦さんが紅茶を沸かしていた。



「…………おやつ、何?」


「プリンでございます。」


「……食べる。」


「かしこまりました。」



僕が席につくと家政婦さんが
紅茶のポットを持って来て、
ティーカップについてくれる。


「…ハーブティです。」


「うん。」



ひと口飲むと、ハーブの香りが
ふわりと広がった。
ハーブティは精神を落ち着かせる効果がある。

僕は深呼吸して、ハーブティを飲む。
少しだけ、イライラが落ち着いた。


「……どうぞ。」


次にプリンが用意される。
ホイップクリームも添えられたプリンは
美味しそうだった。

プリンを口に含む。…甘くて、濃厚だ。



「………………美味しい。」


「ありがとうございます。」



家政婦さんは笑ってキッチンに入っていく。
僕はティータイムの時間を楽しんだ。













「………ご馳走様。」


「お粗末様でした。」

食器をキッチンのカウンターに置く。
ハーブティもプリンも美味しかった。
食べ終わる頃には、イライラは落ち着いていた



……気分も良くなったし、
部屋で本でも読もうかな。


ダイニングを出ていこうとすると、
家政婦さんが引き止めた。


「あ、そうでした。坊っちゃま。
先生からの預かりものです。」


渡されたのは成績表と模試の結果。
ああ、そうか。先生これを渡しに来たんだった


「……見なくていい。いつもみたいに
保護者印だけ押しといてよ。」


「坊っちゃま。
中をご覧になってくださいませ。」


「…………別に見なくても、」


「そう言わずに。」



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