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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第5章 7月『ピアノとBBQ』







家政婦さんに差し出された
成績表を仕方なく受け取る。

中なんか見なくてもいいのに……


ペラリ、とめくると、
いつも通り1番上の成績が並べられている。

………どうでもいい。

次のページからは授業ごとの成績だ。
1枚捲ると、右上に何かが貼ってあった。


「………………、なにこれ。」





いろんな顔をしたパンダがあちこちに
散りばめられている付箋が
半分に折りたたんである。



「……………………。」


付箋を開くと、
赤ペンでつらつらと文章が書かれていた。



『テストはいいけど欠席日数が多いから
全体的に授業態度の評価だけ低いぞ!!

これ以上休むと成績落ちるから
気をつけろよな。特に英語………
っておい!!俺の授業じゃんか!!!

テストとか提出物とかなら
その子の頑張りによって
妥協することもできるけど、
授業日数だけは取り消せないんだぞ。
分かったか?新学期からは気をつけろよ!

サナダマサキ』




「…………………。」



「新しい担任の先生、
良い先生で良かったですね。」



「………………………。」




家政婦さんが笑う。


「……………ここまでしてくれる先生、
中々いませんよ。」


「……………………そうなの?」




「ええ。それに、
こちらの模試にもぎっしりと
隅から隅まで書いてあります。
特に、この全国1位というところに
花丸とパンダの絵がたくさん……。」


「………………貸して。」



「はい。ゆっくりお読みになってください。」



家政婦さんから模試と成績を受け取り、
2階の部屋に入った。

僕はしばらく、
赤ペンでたくさん書かれた2つの書類を
眺めていた。






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