第2章 4月『沈黙の少年』
南先生は考え込んだまま立ち上がる。
さて、そろそろ後ろの目が痛いな。
悪いけど先生には退場いただこう。
「そういえば誰かを探してたみたいですが
追わなくて良いのですか?」
「あ、そうだった!!仙道君!!」
先生がバカサイユから慌ただしく出ていく。
「キヨ、行ったよ。」
「チッ…独り言長すぎんだよ、あのブチャ!」
翼の作った謎の彫刻の後ろに
隠れていた清春が出てくる。
「そう?……中等部からだよ、あの癖。」
「それだけじゃねェ!お前も話を
森下げてんじゃねーヨ!!」
多分、掘り下げるって言いたいのかな、キヨ。
とりあえず怒っているキヨに謝る。
「ごめん。ちょっと、話したかったから。」
「あァ〜ン?いつも通りよォ
すぐ変わんだから話す必要ねぇダロ!」
「…それはまだ分からないよ。」
「ハッ!そーかよ。オレはまたここに
アイツが来る前に退散すっからな。」
「分かった。また明日ね、キヨ。」
「おうよ、じゃーな。」
キヨがバカサイユの扉を閉めた。