第4章 6月『緊張』
翌日の昼。
バカサイユに入ると、
B6が待ちくたびれていた。
「…何故この俺が昼飯を
待たされなきゃならないんだ!」
「ゴロちゃんお腹ペコペコー死んじゃうぅ〜
うわぁああ〜ん!」
「………空きすぎて……眠れない……ぐぅ。」
皆それぞれ文句を垂れている。
…………僕は、これから起こる事が
予想出来るから食欲はないけれど。
「………あ、!おいで。」
「………う、ん。」
思わず言葉が突っかかった。
南先生、ちゃんと食べられるものを
持ってきてくれただろうか。
「…どうした?。」
「………ううん。なんでもない。」
いつもみたいに兄さんの膝に座る。
不安だ。何が出てくるんだろう。
「……………?」
「…みんな!おまたせ!!」
「……担任……?」
半分やけくそな翼が
入ってきた南先生を睨みつける。
「………なんだァ?そのハコは……。」
ただ、その直後、南先生の持っていた箱に
皆、目が行った。
…重箱のように積み上げられた箱、
それが何かわからないほど、
僕も馬鹿じゃない。
「私、お弁当作ってきたの!
全員分あるから食べて!!」
うわぁ………やっぱりそうだよね………。
「え〜っホント!?
センセの手料理?」
「そうよ!朝5時に起きて作ったんだから!」
「……ほう?アンタが、料理ねぇ…。」
「……まぁ、たまにはいいだろう。
寄越せ担任。俺が味見してやろう。」
「もう、相変わらず高飛車なんだから!
山田さんよりは美味しくないかもしれないけど
…びっくりしても知らないわよ!」
色んな意味でびっくりしそうだね、
この弁当。
皆嬉しそうに弁当箱を受け取る。
勿論、僕も。
「………あ、先生僕は……。」
「君の分もあるのよ!
ほら。食べてみて。」
「………………。」
遠慮なく大きい弁当箱を目の前に置かれる。
「……、どうした?
食欲ねぇのか?」
「…………まぁ。」
僕がため息をつくのを他所に、
全員がお弁当の蓋を開けた。
「これでやァっと飯にありつけ………」
「………さて、いっただっきまー………」