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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第4章 6月『緊張』









「………山田さん。」


後日、僕は昼前の時間にバカサイユに行くと
昼ご飯の支度をしている山田さんを尋ねた。


「…おや、さん。
どうされたんです?」



山田さんは野菜を綺麗に切っている。
毎日毎日、7人分の料理を用意するなんて
大変だよね…、すごいな、シェフって。



「………少し前に南先生が訪ねて来なかった?」


「…ああ、今朝みえましたよ。
何やら手料理を翼様達に振る舞うそうですわ。
胃袋を掴むと豪語しとったんですが…」



……………やっぱり、手料理か。

僕の予感は当たっていた。

僕は中等部にいた時に
南先生からバレンタインチョコを
もらった事がある。


……味はまぁまぁなのに、
見た目が最悪なんだよね……南先生の手料理。


きっと翼達、ひっくり返るだろうな。



「…………その日って、いつ?」


「明日だと伺っております。」


ああ……明日か。
僕の分もあるだろうし
覚悟しとかないと。




「…………明日の昼の分、
用意しといた方がいいと思う。」


「…え?そうなんですか?
だって、南先生が作ってくださるんでしょ?
女性の手料理に勝るものは無いですって。」



「…………それが、普通の女性の
手料理だったら、ね。」

僕が呆れたように言うと、
山田さんはため息をついた。


「はぁ……南先生は普通の方やと
思うんですがねぇ。
…さんが
そこまで言うなら用意しときますわ。」



「……うん。お願い。」


これで良し。

南先生は明日のメニューを
決めている頃だろう。


「………せめてちょっとマシな料理に
なってるといいな。」


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