第4章 6月『緊張』
「えっと……ここを曲がって………。」
ナビに住所を入れると、
ピンポイントで
の家の場所を示していた。
昔は地図1つで遠くまで行っていたのに、
便利になったものだ。
「………あ、ここだ。」
路肩に車を停めて降りる。
表札には『草薙』と書かれていた。
時計を見ると19:00。ぴったりだ。
こっから2分待つのか。なんでだかは
分からないが、とりあえず、
言われた通り待つ。
「……結構デカいな。」
高級住宅街の中で、
二階建ての一戸建てで庭付き、小屋付きの敷地
なんていうか、お金持ちだな。
やっぱり聖帝の…しかもエスカレーターで
来た奴等は皆、ある程度そうか。
……でも、家の中は真っ暗だ。
今は19:00だろ?夕飯時なのに……。
もしかして留守…なのか?
「あ……明かりが!」
の家の門の前で待っていると、
リビングの電気がついた。
やっぱり誰かいるのかもしれない。
時計を見ると19:02。あ…時間だ。
意を決してインターホンを押す。
少しして、声が聞こえた。
『…………はい。』
「あ、……えっと………突然押し掛けて
申し訳ありません。
俺は、……じゃなかった。
草薙君の担任の
真田というものです。
……君はいらっしゃいますか?」
俺がインターホンのカメラに向かって言う。
『………どうぞ。』
「は、はい!失礼します!」
頭を下げて、門を開ける。
電灯に照らされた道を歩いて、玄関についた。
……なんだか緊張する。
家庭訪問以外で生徒の家に行くなんて
ほとんど無いし………。
ガチャリと、鍵が開く。
ああ、いよいよだ。
こんな大きな家だし、
もしかしたら草薙兄弟と同じ美形の
ご夫婦が出てくるんじゃ……
扉がゆっくりと開く。
俺は息を飲んだ。
「…………こんばんは、先生。」
「………あれ、?」
「…………なんですか。僕じゃ悪いですか。」
がむすりと怒り気味で言う。
の顔色は大分良くなっていた。
いつも通りのポーカーフェイスだ。
………ちょっと、安心、した。