第4章 6月『緊張』
「…………はぁー。やっと終わったぜ…。
行事ってのは楽しいけど、準備と片付けに
手が掛かるよなぁ。」
葛城さんがため息をついた。
テントやらその他もろもろの
片付けが終わり、生徒も帰らせた。
あとは、俺達が帰るだけだ。
職員室に戻り、帰る用意をする。
うちのクラスの結果は惨敗だった。
の取った1位以外は、
皆全くのダメダメで。
ビリではなかったものの、
普段頭に力を注いでる分、
体が追いついていないらしい。
皆、男女問わず
競技後はヘトヘトの様子だった。
とはいえ、どんなに結果が酷くても、
参加賞は貰える。
競技を参加した賞状と、
1位だった時には金メダル…の玩具だ。
俺はそれも鞄に入れる。
会ったら、渡さなくちゃ。
それから…の家の、住所の書類も。
「はぁ…こんな日は一杯飲むに限るな。」
九影先生か鞄に私物を片付けながら言う。
「お、いいね。みんなで行くかい?」
鳳先生がにこりと微笑むと、
九影先生が首に手を当てた。
「…トリさんは飲み過ぎ注意な。」
「はは、分かってるよ。
…他の皆さんはどうするかな?」
「……私も、行ってもいいですか?」
南先生が遠慮気味に手を上げる。
「……おや、南先生。大歓迎ですよ。
こちとら男ばかりですから。ふふっ」
「あ、ありがとうございます!」
衣笠先生がふわりと微笑んだ。
「…申し訳ございませんが、
私は遠慮させていただきます。」
それに対して二階堂先輩が厳しい顔で言った。
やっぱりカッコいいなぁ二階堂先輩は。
「チェッお堅いねェ〜冷血眼鏡は。
で、小猿はどうすんの?」
葛城先生に聞かれて我に返る。
葛城先生の向こう側の壁にかかっている
時計を見ると、18:30を指していた。
「あ……俺は、ちょっと、用事があって……。
じゃあ、お疲れ様でした!失礼します!!」
荷物をまとめて、慌てて学校を出た。