第4章 6月『緊張』
(真田side)
少し話が戻ります。
保健室で坂下と別れた後からです。
「…え……が起きて保健室を出た?」
「はい。『心配かけてごめんなさい』って
言ってましたよ。」
担当していた競技が終わり、
急いで保健室に向かうと途中で坂下に会った。
坂下は俺の代わりに
を見ていてほしいと
頼んでおいたのだけど、
はとっくに
出ていってしまったらしい。
「………そんな。まだ倒れてからそんなに
経ってないだろ!そんなんで
無理に動いたら………」
俺が言うと坂下は呆れたように言った。
「大丈夫ですよ。
ちゃんと食べて寝れば治るし。
には良くあることなんで。」
「…なんだよ…それ。
良くある事ってどういう事だ?」
「え……知らなかったんですか?
知らずに、よく体育祭出ろなんて
言えましたね。」
坂下は悪意のある言い方で俺に言う。
坂下は1つため息をついて、
の事を教えてくれた。
「緊張しい?」
「はい。一言で言うとそういう事ですね。」
俺が聞いたのは驚いた話だった。
はかなり
緊張しすぎる所があるらしい。
「……そんな事一言も言わなかったぞ。」
「はそういう奴ですよ。
人嫌いの秘密主義者なんで。アイツ。」
「………そうかも…しれないけど…。」
反論したいが、反論できない。
坂下の言葉に嫌に納得してしまう。
「でも…だったらどうして
体育祭に出たんだよ。」
「知りませんよ。
僕の方が聞きたいくらいです。」
坂下がため息をつく。
がクラスで一番仲良い坂下ですら
分からないなんて…。
はどうして体育祭に出たんだろう。
こんな、貧血になるような思いをしてまで……