第4章 6月『緊張』
(視点)
「…………んん、」
目が覚めると周りは真っ暗だった。
僕の隣で寝ているのは……多分、兄さんかな。
「…ん、むにゃむにゃ…………。」
手探りで兄さんに触れる。
頬を触ると、声が漏れた。
「………喉乾いた。お茶飲んでくる。」
聞こえてるか分からないけど、
一応そう伝える。
起こさないようにベッドを出て、
1階に降りた。
「まぶしっ……。」
リビングの電気を付ける。
今まで暗い所にいたからか目がチカチカする。
目を慣らすようにパチパチと瞬きすると、
少しずつ周りが見えてきた。
キッチンに入って、冷蔵庫にある
麦茶をコップにつぐ。
「………ん、美味しい。」
冷たい麦茶はひんやりと僕の喉を通り、
少しだけ目が覚めた。
ふと時計を見ると19時過ぎだ。
「大分寝ちゃったみたい。
もう夕飯時だ。」
………じゃあ、兄さんも起こして、
夕飯でも一緒に食べようかな。
その時、インターホンが鳴る。
「………誰だろう。こんな時間に。」
僕はインターホンに
写ったカメラを覗き込んだ。