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【ONE PIECE】歳上の人

第12章 膨らんだ気持ち


「何この気持ち...」


不快な感情を殺そうと、胸に手を当て、その手をギュッと握りしめる。


「何やってんだよぃ、熾天使」


「へ?」


後ろから声を掛けられ振り返ると、マルコが立っていた。


隣にさっきの女の人を従えて。


「マルコ...」


「こんなとこで何してる?

宿はどうしたねぃ」


チラリと隣の女性に目を向ける。


綺麗な黒髪に、整った顔立ち、スラリと伸びた手脚、女性らしく膨らんだ胸。


...勝ち目はない。


何に対して勝ち目がないのか。


なぜか一瞬、マルコのことを盗られると思った。


盗られたくない、とも。


「ただの気分転換だよ」


分からない。


こんな感情知らない。


なんとなくマルコを頼りたくなくて、というよりマルコの隣に居る女性に弱いところを見せたくなくて。


咄嗟に誤魔化した。


「もうすぐ宿屋には戻るよ、気にしないで」


「あぁ、そうかよぃ」


「うん、じゃあ」


何か言いたそうなマルコに背を向け、歩き出した。


あの人達はまだ宿屋に居るのかな。


それとも、私を追い掛けてるのかな。


前者なら出来るだけ騒ぎを起こさず倒すのみ。


後者なら好都合、そのまま逃げる。


少しの不安を胸に、宿屋に戻った。

















「あら、戻って来たの?

案外バカね、熾天使さんって」


ですよね、そんな簡単に帰ってはくれないか。


さっき私に扉越しに声を掛けた女の人と、3人の男性。


どの人も皆拳銃やらナイフを持っている。


どう対応しようかな。


女将さんにはこれ以上迷惑をかけたくないし。
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