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【ONE PIECE】歳上の人

第11章 宿屋


「2部屋借りてぇ」


「恐れ入りますが、お客様はこの国の方ですか?」


「いや、違うが」


「そうですか...。

申し訳ございません、他国の方はお泊め出来ないのです」


「出来ない?

なんでだよぃ」


「そういう決まりになっているんです。

恐らくどの宿屋に行っても同じかと...」


着物を着た宿屋の女将さんが申し訳なさそうに頭を下げる。


「どうしてですか?

もし差し支えなければ、理由を教えて貰えないでしょうか?」


今まで黙っていた熾天使が口を開く。


その口調はいつにも増して大人びていて、低姿勢だった。


「...国王が代わって、一変してしまわれたのです。

他国の者を入国させず、万が一入国を許してしまったのなら差別せよと。

ですので、申し訳ありませんが...」


「分かりました。

お話してくださって、ありがとうございます。

行こ?マルコ」


頭を下げ、踵を返す。


「でも熾天使、お前病み上がりだろ?

また倒れたら...」


「良い。

人に迷惑をかけるぐらいなら、それでも」


「お待ちくださいっ。

1部屋だけでしたら、お貸し出来ます。

設備もあまり良くない上に規律を犯すので黙っていてくださることが条件なのですが...」


「良いんですか?

もしそれが見つかれば、あなたは...」


「構いません。

お客様をお泊めするのが宿屋ですから」


「ありがとうございます。

お願いします」


頭を下げる。


なんて優しい人なんだろう。


「案内致します。

どうぞこちらへ」


女将さんのあとに続く。
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