第10章 麦わら帽子と愉快な仲間達
「あんまり飲み過ぎるなよ、酒癖悪いんだから」
「分かってる」
「マルコ...」
「ん?」
「改めて、ありがとう」
「別に、良いってことよぃ」
少し照れたように頬を掻くと、ジョッキに残っていたお酒を一気に胃に流し込むマルコ。
「...船医の許可が降りたら、すぐ俺らの船に戻る」
「分かった。
あんまり離れちゃうと見失っちゃうから?」
「それもある」
ということは、それ以外にもあるってことか。
それを言わない辺り、聞いて欲しくないんだろう。
「どう戻るの?
また飛んで行く?」
「いや、流石に距離が分からねェ。
麦わらの船に来るまで1日かかったし」
「そっか」
「だからまずは船を降りて、サッチに連絡を入れる。
動くのはそれからだよぃ」
「船を降りるって、近くの島に上陸するってこと?」
「あぁ。
その方が連絡しやすい」
「分かった。
色々聞いてごめんね。
マルコがそういうなら、私は従うのみ」
「病み上がりの身体に負担はかけたくねぇからだよぃ」
ポンポンと優しく頭を撫でる。
やっぱり頭を撫でられるのはたまらなく好きだ。
チラリと上を見上げれば、マルコと目が合う。
心拍がドキッと跳ね、胸を締めつけた。
顔が熱い...。
きっと赤くなっているであろう顔を隠すように、更にお酒をあおる為にグラスを傾けた。
きっと、お酒のせいに違いない。
こんなにも顔が熱くて、ドキドキするのは...。