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【ONE PIECE】歳上の人

第10章 麦わら帽子と愉快な仲間達


「ねぇ、マルコ」


俺の名を呼ぶこいつは、さっきからなぜか顔が赤ェ。


もう酔ったのか?


いつもより露出の多い服。


惜しげもなく晒された程良く筋肉のついた手脚。


他の奴よりも距離が近いし。


全部、男の欲を煽るということに気づいてない鈍感。


「マルコ、聞いてる?」


ムスッと頬を膨らませる今の熾天使は、まさしく歳相応。


まだあどけなさが残る。


「あぁ、聞いてるよぃ」


返事をし、酒をあおればまた話し出す。


「ねぇ、マルコ。

もし私が死んだら、悲しい?」


「...急にどうしたんだよぃ」


「ううん、ただの興味。

聞いてみたかっただけ。

気分悪くしたらごめんね、別に答えなくても良い」


酒の入ったグラスを見つめる熾天使を横目で見る。


なんて顔してんだよぃ、ガキが。


「悲しいに決まってるよぃ。

だからそんな顔するんじゃねぇ」


コン、と横にある小さな頭を突く。


「ごめん、マルコ」


「大方死んだらそれまで、とかそれ以上でも以下でもない、俺がそう考えてるとでも思ったか?」


「う.....」


図星、とそう顔に書いてある。


「俺はお前を利用しようとは考えてねぇよぃ。

本気で惚れてる。

だから2度と、死んだらとか言うな。

そんなこと俺に考えさせるな。

気が狂いそうだ。

分かったか?」


「うん...ごめんなさい」


グラスを持つ手が震えている。


泣いてんのか?


「謝らなくて良いよぃ。

俺を信じろ」


ポンポンと髪を撫でる。
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