第10章 麦わら帽子と愉快な仲間達
私が言えたことじゃないけど1人だけ輪に入らないのも、なんか…。
「マルコはお風呂どうするの?
入った?」
そう聞いた瞬間、なぜか船内がざわめいた。
「俺は別に良いよぃ」
「そっか、分かった。
じゃあ行って来るね」
「あぁ」
「あ、あ、案内するわね?」
ナミさんの後ろに続き、お風呂場へと向かう。
「おォのれ…‼︎
お前らってそういう関係なのか⁉︎
あの美人で優しくて清楚なナツキちゃんを…ナツキちゃんを…‼︎」
「黙れ、このエロコック」
「これが黙ってられる事態ですか?
あ?このクソマリモ」
2人の間に火花が散る。
この船ではこれが日常なようで、誰も止めようとはしなかった。
「別に、お前らの想像してるような関係じゃねェよぃ」
熾天使が部屋を出て、一気に騒がしくなった。
なんとも面倒で思わず溜め息を吐く。
どいつもこいつも、下世話だよぃ。
「あー、なんだ、びびった…」
心臓辺りを抑え、深く安堵の息を漏らす黒足に眉がピクリと動く。
俺の中で嫉妬心がぐるぐると立ち込める。
「うふふ、随分彼女に惹かれているのね。
嫉妬しちゃうわ」
と、考古学者と名乗った女が微笑む。
「ハッ‼︎
まさか‼︎
もちろんロビンちゃん、あなたもとても魅力的だ…‼︎
なんということだ…俺に嫉妬してくれてるロビンちゅわん‼︎
俺はあなたのサンジです」
クルクルと回転し、ひざまずく。