第8章 敵襲
「もう暴れる力もないと思うガ、念の為気絶しようカ」
再び金棒が振り上げられる。
「死ネ」
金棒が振り下ろされる瞬間、諦めて目を閉じた。
「熾天使っ!」
その直後、マルコの声が聞こえた気がした。
「マル…コ…」
薄っすらと目を開けると、目の前には青い炎が広がっている。
「待たせたねぃ。
あとは俺に任せろよぃ」
「不死鳥マルコ…賞金首ダ」
「よくも熾天使に手を出してくれたな…。
ただで帰れると思うんじゃねェよぃ」
男と対峙する。
「マルコ!
そいつは俺が相手するから、お前はナツキ連れて医務室行けよ!」
「火拳のエース…仕留めル」
「…あぁ、分かった。
すまねェ、こいつは任せるよぃ」
「おう」
「待て不死鳥、行かせなイ。
熾天使を置いてケ」
熾天使を取り返そうと手を伸ばす。
「「触んな/触んじゃねェよぃ」」
その手をエースと俺が、蹴る。
男が怯んだその隙に熾天使を抱え、奥へと向かう。
「船医は居るかよぃ!」
「こら、マルコ。
ノックをせんか、ノックを。
誰かが診察中だったりしたらどうするんじゃ」
「こんな船の緊急時に呑気に診察なんか受ける奴は居ねェよぃ。
そんなことより、熾天使のことを診てくれ。
ぐったりしてるんだよぃ」
「ふむ…そこへ寝かせておくれ」
指定されたベッドに優しく熾天使を横たわらせる。