第7章 寝酒
コクン、とお酒が喉を通る。
鼻を抜ける香り。
一瞬クラリと揺れる視界。
そして何より焼けつくような喉。
「…強い…」
私には美味しいとか、そういうものを感じられるレベルではない。
「やっぱり飲めねェのかよぃ」
「うん…うー…酔った」
一気に顔に赤みが増した。
「もう一口飲むか?」
「飲まない…」
クラクラして、楽しい気分になる。
「マルコ…」
「ん?って熾天使?」
ソファーに隣り合って座っていたマルコに後ろから抱き着く。
「どうしたんだよぃ」
「…酔った」
「もう?
果実酒飲んでるとはいえ、ウイスキー1杯で?」
「だって…強い」
「そうかよぃ。
もう寝るか?
それとも風呂入る?」
「しばらくこうしてる…」
「分かったよぃ」
抱き着き、首筋に顔を埋めると、スリスリと肌を密着させた。
そして首元の匂いを嗅ぐ。
「まるで動物だねぃ」
スリスリするのをやめると、カプリとマルコの耳を噛んだ。
「っ…」
不意をつかれ、身体が跳ねる。
「おい、熾天使…」
動きは止まらず、そのまま何度も何度も噛まれる。
離したかと思えば角度を変えただけであり、これには流石のマルコも慌てた。
「お前酔い過ぎだよぃ!」
「何かに噛みつきたいの…」
酔ったら自分の本性が出るって言うしねぃ。
まさかこれが熾天使の本性?
「っ…やめ…」
カミカミと楽しんでいた口が、下に降りて来る。
首筋まで降りて来ると、ガブリと噛んだ。
「っ…」