第6章 悪魔の実
「川…?」
「おう!
見つけたんだ」
「綺麗…魚が泳いでる」
「魚?
食えるのか?」
「食べちゃうの…?」
「わ、分かった、食べねーから!
そんな目で見つめるなって」
「良かった」
「こんな綺麗な川があったんだ。
しばらくこの島に居たけど知らなかったな」
川を眺め、水に触れる。
「なぁ、ここって泳いでも良いのか?マルコ」
「やめとけ、能力者だろぃ」
「えー…」
プルプルプルプルプル。
「なんの音だ?」
「俺のでんでん虫だよぃ」
「でんでん虫?
マルコ普段そんなもん持ってんのか。
面倒じゃねーの?」
「面倒くさがってたら、いざという時に連絡取れねェだろうよぃ。
だからいつもエースへの連絡は俺が直接行ってるんだろうが」
コン、とエースの頭にマルコの拳が軽く入る。
「なんだ?」
『マルコか?
俺だ、サッチだ』
「あぁ、どうしたんだよぃ」
『悪い、ちょっと手違いがあってな。
島を出る他なくなってよ』
「今からか?」
『いや、もうすでに出ている。
親父の判断だ、仕方ねェ。
マルコ、お前達は各自船に戻って来てくれ』
「あぁ、分かったよぃ。
俺達は自分で船に戻るよぃ。
だから気にせず先に行け」
『あぁ、そのつもりだ』
ガチャ。
「つーことだ。
今ならまだそう遠くへは行ってねェだろ。
戻るぞ」
「戻るったって、マルコは飛べるから良いけど俺とナツキは飛べねェんだぞ?
船でも借りてくのか?」