第6章 悪魔の実
前を歩くエースのあとを、並んで歩く私とマルコ。
「楽しそうね、エースはいつも」
「あぁ」
「お?
なんか珍しいキノコが生えてるぞ!」
「食うなよ、エース」
「…分かってるってば。
相変わらずマルコは堅いな」
摘んだキノコを残念そうにポイッと捨てる。
「マルコも大変そうね」
「分かってくれるかよぃ…」
「なぁ!
もっとあっち行ってみようぜ」
「おい、分かったから落ち着いて行けよ!」
「大丈夫だって」
「おい熾天使、悪いが急ぐよぃ。
放っておいたらあいつ1人でどっかへ行っちまう」
「そうね」
目に浮かぶ光景に、思わず苦笑する。
足場の悪い道ながら、平面と同じようにスタスタと歩く2人。
「バケモノめ…!」
こっちが必死になって追いかけているのに、引き離されないのに精一杯だ。
「はぁっ、はぁっ、2人共…速い…!」
目の前を見つめて立ち止まった2人にようやく追いつく。
「あ、ナツキ」
「なんで平面と同じようにあんな荒れ地を走れるのよ!」
息を整えながら睨む。
「悪い、大丈夫か?
ナツキ」
「ええ…なんとか…」
「体力なさ過ぎだよぃ」
「おい、マルコ!」
「なんですって…?」
「これくらいに着いて来れないようじゃ心配だよぃ」
「分かったわ、良いわよ!」
「おい、ナツキも」
「こうなったら鍛えてやるんだから!」
「やれるもんならやってみろよぃ!」
「全くお前らは…」