第5章 添い寝
きちんと温まり、浴室をあとにする。
身体の水分を拭き取り、マルコの着替えに袖を通す。
予想していた通りだけど下着はブカブカだった。
なんかマジマジと見るのも申し訳なくてなるべく見ないように着替えた。
その上からマルコが普段愛用している紫色のシャツを羽織り、前のボタンを全て閉めると体格差からかワンピースのような格好になった。
ズボンも借りたけど、これはこれで大丈夫だし…良いよね。
と自己完結して、脱衣所をあとにした。
「マルコ…?」
「おう、出たかよ…ぃ…」
振り返るなり硬直したマルコ。
「え?
どこか変だった…?
ボタン掛け違えてる?」
「そ、そんなことはないよぃ。
ちょっと驚いただけだ、気にするな」
「そっか、分かった」
ダブっと緩い服。
裾から覗く白い脚。
お風呂上がりで上気した頬。
そして濡れた髪。
全て男の欲を煽るのに、十分な程の破壊力だった。
「髪、ちゃんと乾かさねェと風邪ひくよぃ」
「うん。
乾かしたいのは山々なんだけどさ…」
「どうした?」
「乾かすものがないの」
「あー…うちは大抵自然乾燥で事足りるからな。
イゾウなら持ってそうだけど、聞いてみるかよぃ?」
「うーん…夜も遅いし大丈夫!」
「そうか。
風邪はひくなよ?
タオルで拭ける分は拭いておけよぃ」
「うん、分かった」
水気を含んだシャンパン色の髪をタオルで丁寧に拭く。