第5章 添い寝
「熾天使!
もう誰も居ねェよぃ」
「分かったー」
遠慮がちにドアを開き、脱衣所にも誰も居ないか確認する。
さっきは浴室に誰も居ないだけで、脱衣所にエースが居たから。
「ほっ…良かった、誰も居ない」
「俺はドアの外で待ってるから、なんかあったら声掛けてくれ。
のぼせるんじゃねェよぃ」
「分かってるよ!
ありがとう、入って来ます」
「おう」
ドアを閉めると、脱衣所全体を見回した。
本当に広い…。
何人も一緒に入るというのは間違っていなさそうだ。
隅っこのカゴに脱いだ服と着替えを入れ、浴室へと脚を踏み入れる。
「浴室も広い…!
シャワーやオケもいっぱい!
浴槽広い!」
見たことない広々とした浴室に人知れずテンションが上がる。
ニコニコと嬉しそうに笑いながら、身体と髪を洗った。
シャンプーもいっぱい置いてあって、全部同じメーカーか。
明日自分用のシャンプーなどを買うのも良いかもしれない。
「ふぅ…」
髪を洗い終えると、湯船に浸かった。
程良い温度のお湯が全身の疲れを癒していく。
「気持ち良い…」
ぐーっ、と浴槽の中で身体を伸ばす。
「こんなに伸ばしてもまだ余るなんて…!
素敵…!」
いつも旅先で借りる格安宿の、狭い浴槽とは違い、手脚が伸ばせる。
なんて快適なお風呂なのだろう。
皆はこの良さを理解しているのかな?
広々とした浴槽の中で、身体を解す。
戦いで傷ついた身体をマッサージで解していくのだ。