第4章 名前
「マルコってやっぱり強いんだね。
対峙した時から分かってはいたけど…」
「当たり前だろ?
マルコはあぁ見えてすげーんだぜ。
親父の次に強ェんだ。
悔しいけど俺なんかまだ勝ったことねェ」
「そうなんだ」
「おう。
ナツキ、なんか食うか?」
「え?」
「腹減ってねェ?
なんか食おうぜ、例えば肉とか!」
「もしかしてエース、お腹空いてるの?」
「おう!」
「さっきあんなに食べてたのに」
と、苦笑する。
宴の席でエースがどれだけ食べていたかは、遠目から見ていても分かった。
「まぁ、一緒についていくぐらいは大丈夫よ」
「そうと決まったら食堂行こうぜ!
サッチまだ起きてっかな?」
「起きてるんじゃない?」
「よし、行くぞ、ナツキ」
「ちょ、エース」
腕を引かれ、食堂へ一直線だ。
その道中すれ違ったクルー達に好奇の目で見られたのは言うまでもない。
「サッチー、飯くれ!」
「エース、お前またか」
「だって腹減ったんだもん、仕方ねーだろ?
肉くれよ肉!」
「全くお前は…それでいてなんで余計な脂肪にならないのか不思議だな。
ってあれ?
ナツキちゃんも一緒なのかい?」
「エースに連れて来られて…」
「だろうな。
見りゃ分かる。
ナツキちゃんも何か食べるか?
それとも飲み物?」
サッチさんは優しく人の良い笑顔で尋ねる。
「あ、じゃあココアを…」
「それと肉だ!
肉も食えよ、ナツキ」
「それはお前が食べたいだけだろ?エース。
ちゃんと作ってやっから、ちょっと待ってろ」
「やりぃ!」