第4章 名前
「マルコのバカ…」
「まぁまぁ、そう怒るなって。
マルコも悪気があった訳じゃないんだからよ。
少しからかい過ぎちまっただけだ。
それと、とりあえずは俺の部屋に行くけど大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。
ありがとう」
「気にすんなって」
頭を撫でられ、宥められる。
頭を撫でられるのは何よりも好きだ。
相手の温もりが伝わって来て、凄く落ち着く。
「部屋って皆あるの?
マルコも1人部屋だったけど…」
「ん?
あぁ、まぁ隊長は皆個室なんだよ」
「ふーん、そうなのか。
…え、ということはもしかして、エースも隊長?」
「おう!
2番隊のな」
ニカッと屈託のない顔で笑う。
「そうだったの…!
なんかごめん」
「なんで謝るんだよ。
別に悪いことしてねェのに。
それよりさ、ナツキって強いんだな!」
「え?そう…?
そんなことないと思うけど…」
目を輝かせながら言われる。
決して弱い方ではないと思うが、強いかと言われると微妙である。
ましては強者揃いのこの船内で。
「おう。
だって俺、あのマルコが吹っ飛ばされんの初めてみたぜ。
この船に乗ってから1回も見たことなかったのに」
「え、1回も?」
「あぁ。
どんな敵にも絶対圧勝してたから、傷負って帰って来た時もびっくりしたもんだぜ」
「へ、へぇ…」
私の知らないマルコの一面に驚きを隠せない。
強いのは知ってたけど。