第20章 奪還作戦
「食事の用意が出来るまで、少し部屋で休んでいると良いよ。
多分宴になるだろうからね」
イゾウ兄がエースを引き剥がし、笑う。
「そうする、ありがとう」
「ナツキ、どうだ?
久々に添い寝してやろうか」
「大丈夫ー」
ニヤリと笑うシャンクスの誘いを断り、1人部屋へ戻った。
「ふぅ...」
仮眠を取ろうとベッドに入り、目を瞑った。
1人になれば否応にも浮かんで来る尋問風景。
心臓が嫌な音を立てて騒ぎ出し、寝るどころではなかった。
「ナツキ、まだ起きてるかよぃ」
扉越しにマルコの声が聞こえた。
「起きてるよ、どうしたの?」
心なしか声が沈んでいるようにも感じる。
「入っても良いか?」
「ええ」
遠慮がちに開けられた扉。
マルコが静かに入って来て、私の居るベッドの前で立ち止まる。
その表情は暗い。
「どうしたの?」
「...すまなかった...!」
「え...?」
マルコが深々と頭を下げている。
「マ、マルコ?
顔を上げて」
「守るっつったのに、また傷つけちまった...」
「攫われたのは私が油断していたから。
私はマルコにいつも守って貰う程弱くない。
だからマルコは何も責任を感じなくて良い」
「けど...」