第20章 奪還作戦
「自分の脚で海に出て、海賊になったの。
自分の身ぐらい自分で守るわ。
それとも、心配なのかしら?」
「...いや」
「なら気にしないで」
ニコッと笑うと、マルコもつられて笑ってくれた。
大丈夫みたい。
「ナツキ、寝るのか?」
「寝ようと思ってた...」
「その様子じゃ寝れねぇんだろ?」
「...うん」
「そっち詰めろ、添い寝してやるよぃ」
「良いの?」
「あぁ。
その前に左手を貸せよぃ」
「?うん」
真剣なマルコの顔を不思議に思いつつも、左手を差し出した。
「目、瞑れよぃ」
言われた通り目を閉じれば、左手の指に感じる冷たい感触。
指に感じる違和感に、堪らず目を開けてしまった。
「ばっ、まだ見るんじゃねぇよぃ!」
焦るマルコの顔は心なしか赤い。
「指輪...?」
左手の薬指にはめられた、赤く小さな宝石が輝く指輪。
「ナツキに似合うと思ってよぃ」
照れたように自分の髪を掻くマルコの薬指にも、青色の宝石が輝く指輪が。
「お揃い...?」
「あぁ」
「嬉しい、ありがとう!」