第3章 安心
「ナツキ?
さっきから下向いてどうしたんだ?
具合でも悪いのか?
顔も赤いし熱か?」
「だ、大丈夫だから!」
心配そうに顔を覗き込むエース。
もちろんその時にも身体は目に入る訳で…。
「マルコ、ナツキ大丈夫なのか?
なんか体調悪そうだぞ。
寝かしとくか、ナースのところに連れて行った方が…」
「エースは優しいねぃ。
大丈夫だ。
熾天使は照れてるだけだよぃ」
「照れる?何に?」
「お前の身体にだろうよぃ」
「ふーん、変なやつ」
「案外、ウブで可愛いガキだな」
と、マルコの手がナツキの頭に乗る。
そしてワシャワシャと髪を撫でた。
「そんなんで取り乱してたら…どうするんだ?
ここは男所帯。
皆裸に近い格好でウロつくよぃ」
「おい、マルコ…!
からかい過ぎだって」
止めるエースの声に耳を傾けず、自身も上半身裸になる。
そしてあろうことかナツキの顔を覗き込み、顎を持ち上げて視線を合わせた。
耳まで赤く染め、恥ずかしさのあまり目に涙を浮かべるナツキと目が合う。
「マルコの…変態っ‼︎」
「っぐ…!」
意地悪そうに笑うマルコの腕を掴むと、思い切り放り投げた。
大の大人の身体が少女の華奢な身体によって持ち上げられる異様な光景。
これにはその場に居たエースさえも、唖然とする他なかった。