第18章 所属
「うわ、汚ねーな、マルコ!」
「どこでそんなこと聞いたんだよぃ!」
エースの言葉を無視して詰め寄るマルコ。
その形相に腰が引ける。
「え.........と...サッチさん」
「あいつ...」
「ほらよ、ナツキちゃん」
「あ、ありがとうございます」
タイミング良くサッチさんが料理を運んで来てくれた。
「サッチ...ちょっとツラ貸せよぃ」
「どうしたんだ、マルコ。
そんなに悪人面して...。
ナツキちゃんに愛想尽かされちまうぞ」
「煩ェ!
ナツキに余計なこと言ってんじゃねェよぃ!」
「やれやれ、静かに食事出来ないかね。
ナツキ、体調は大丈夫かい?」
コップを片手に隣に腰を下ろしたイゾウさん。
「あ、ちょっとだけ身体痛い」
「辛い?
あとで楽にしてあげるから部屋においで」
「本当ですか?」
凄くありがたい。
「あぁ。
それと敬語も要らないよ」
マルコとは違う、壊れ物を扱うような優しい撫で方に安心する。
イゾウさんは喧嘩や戦闘の時以外は基本口調が穏やかだ。
出された食事を食べ終え、イゾウさんに着いて行く。
マルコはまだサッチさんと言い争っていた。
「歩くの早いか?」
「ううん、大丈夫」
「...」
腰を庇いながら歩く私の隣に立ち、よろける度に支えてくれる。
1つの扉の前に立ち、戸を開くと先に中へ通してくれた。
あんまり人の部屋をジロジロ見るものじゃないけど、ちょっと気になる。