第3章 安心
「それなら、熾天使がベッドで寝て、俺がソファーで寝る。
それで良いだろうよぃ。
決定だ、部屋の主は俺だからねぃ」
「…分かった」
不服そうに頬を膨らませながらも頷いた。
私はマルコの部屋に居させて貰っている身だ。
文句は言えない。
「分かったならさっさと寝ろよぃ」
と、ベッドを顎で指す。
「お風呂は…?」
「入りてェか?」
「うん、出来れば」
今日は戦闘が多かったのだ。
当然汗も掻いたし汚れただろう。
さっぱりしてから眠りたい。
「…じゃあ、風呂に行くか。
基本的に俺らの使う風呂は1つしかねェ。
皆で一緒に入る風呂だ。
お前も一緒って訳にもいかねェから、入る時は俺に声を掛けろ。
誰も入って来ねェように見張っててやるよぃ」
「ありがとう」
なんだ、やっぱり思ってたより良い人だ。
親父さんの家族に悪い人なんか居ない。
「着替え…は持ってる訳ないか。
俺が気絶させて担いで来たんだもんねぃ」
「あ…うん、持ってない」
「とりあえず俺の貸してやるからそれ着ろよぃ」
「し、下着は…?」
「俺が持ってると思うかぃ?」
「思いません…」
「そっちもとりあえず今は貸してやるから、明日調達に行くよぃ」
「ありがとう」
でも凄く恥ずかしい。
男の人から服だけでなく下着まで借りるなんて…!
「風呂場まで案内するから着いて来るねぃ」
「あ、うん!」