第3章 安心
「とりあえず、こいつは大丈夫だろうよぃ」
「マルコ、絶対ェ手出すなよ」
「何度も言わなくても出さねーよぃ」
「ナツキ、なんかあったら遠慮なく言えよ?
あと、本気で殴っちまっても良いからな!
俺が許可する」
「あ、うん…分かった」
「まったく…そこまで疑わなくとも、俺は別に女には困っちゃ居ねーよぃ」
エースと別れ、マルコのあとに続いて部屋に戻る。
「騒がしくして悪かったよぃ。
エースも悪気があった訳じゃねぇ」
「ん、知ってる」
「寝る場所は…そこのベッドで寝ろよぃ」
「マルコはどうするの?」
「俺はソファーでも机でも、適当なところで寝るよぃ」
「それじゃダメ、疲れがとれないじゃない」
「そんなの別にどうってことねぇよぃ」
「ダメ。
それなら私がソファーで寝るわ。
マルコはベッドを使って」
「それもダメだよぃ」
「じゃあどうするの?」
「……」
「ほら、何もないじゃない」
「だからって熾天使がソファーで寝るのはダメだ」
「…じゃあこうしましょ。
一緒にベッドで寝ましょう」
「それも良くねェだろう」
「あれもダメ、これもダメ、って。
否定ばかりしてたら何も決まらないじゃない」
「だからと言って、男女が同じベッドでって…」
「じゃあどうするの?」
否定の言葉ばかり述べるマルコ。
一体どうするって言うのよ。