第17章 金髪とヤケド
「おかえり。
マルコ、ナツキちゃん。
ってぶはははッ...マルコ、その格好...!」
出迎えてくれたサッチさんがお腹を抱えて笑う。
「煩ェよぃ」
面倒くさそうにガリガリと頭を掻くマルコ。
「悪い悪い、気は晴れたか?」
「ええ、ありがとう」
着替える為に部屋に戻った。
兵服を脱ぎ捨て、ワンピースに着替えた。
「マルコ、居る?」
マルコの部屋の前に立つ。
「あぁ、居るよぃ」
「入っても良い?」
「あぁ」
控えめに戸を開け、中の様子を伺い、入った。
マルコは着替え中だったのか、上半身裸の状態だ。
「どうした?」
「ちょっとしたいことがあって...良い?」
「あぁ」
内容も聞かずに許可してくれる。
そんなマルコに後ろから抱き着いた。
「ナツキ?」
「少しだけ...」
温もりに、匂いに、安心する。
「...後ろからじゃ、俺が抱きしめられねェよぃ」
「だって...恥ずかしい......」
「良いから」
身体を振り向かせたマルコに、正面から抱きしめられた。
ドクンドクンとマルコの心臓が大きな音を立てる。
「ナツキ...」
顎を掴まれ、上を向かされればマルコの顔が近づいて来る。
唇に触れた温もりと柔らかさ。
それがマルコの唇だと気づくのに時間は掛からなかった。
「なッ......」
「悪い、我慢出来なかった」
申し訳なさそうに眉尻を下げるマルコ。