第16章 繰り返される悪夢
物陰に隠れつつ進んで行く。
まずは建物内に入らないと。
マルコは持ち前の運動神経で、隠れつつヒョイヒョイと塀を超えて行く。
無事に建物内に侵入出来、歩き回る。
地図とかないのかな...道が分からない。
見聞色の覇気を駆使しながら色々な部屋を見て回る。
「書庫...?」
書庫と思わしき部屋を見つけ、周囲に人が居ないことを確認しながら中に入った。
思った通り、ここは書庫で海軍の歴史が書かれた書類がズラリと並んでいる。
「兵士名簿...?」
分厚いそれを手に取ると、中を開いた。
そこに書かれているのはこの基地に務める海兵達の履歴書のようなもの。
「随分と女性海兵が多いのね」
海軍全体で見ても、女性の海兵は少ない。
それなのにこの基地には全体の半数以上か女性だ。
文字を追っていた目は、大佐の欄のところで止まる。
「経歴なし...?」
なんの功績も挙げず、大佐に昇進出来るものなのだろうか。
疑問に首を傾げていると、部屋の外から大きな話し声がして、気配を消した。
「それより大佐は良いよなー、好き勝手し放題だもんな。
あんだけイイ女に囲まれて。
あー、ヤりてー」
「バカ、大佐に聞かれたらどうすんだ!
でもまぁ、あんだけ堂々と裸の女見せられたら欲求不満になるわ」
ゲラゲラと笑いながら歩き去って行く。
裸の女...?
「おい」
「っ...!」
不意に後ろから声を掛けられ、息を飲んだ。
まずい、見つかった...?