第16章 繰り返される悪夢
「......1つ、聞いても良いかしら」
「あ?なんだ?」
出来るだけ騒ぎは起こしたくないし、せめてマルコが戻って来るまでの時間を稼がないと...。
「この島、どうして若い女性が少ないの?」
そう、少ない。
全く居ない訳じゃない。
「この島に残ってる女は、いわばハズレだ。
大佐様のお気に入りから外れたな」
「随分と偉いのね、その大佐って」
「あぁ」
「一緒には行かないわ」
「なんでだよ。
金にも食うものにも困らず、キモチイイことだけして生きてけるんだぜ?」
「お前も大佐様の性奴隷になれよ」
「嫌」
気持ち悪い。
じゃあ本当はこの島にまだ女性達が居るってことなのね。
それが...海軍に......。
お腹の中がムカムカして唇を噛んだ。
「さぁ、行くぞ」
「そんなのお断りって言ってるでしょう」
真ん中に居た男を蹴り飛ばした。
蹴られた身体が宙に浮き、酒屋に突撃した。
ドアを破壊し、店内に倒れる。
「ごめんなさい、ドアの修理費はちゃんと出すわ。
マルコ、行きましょう。
少し親父さんに話があるの」
お金をカウンターに置き、ちょうどお酒を買い終えたところであろうマルコの腕を引く。
「お、おいナツキ」
戸惑うマルコの声に答えず、能力を発動させた。