第16章 繰り返される悪夢
「別に謝って欲しい訳じゃない。
ただ誤解を解きたいだけ。
どう?解けた?」
「あぁ」
ポンポンと照れたように雑に頭を撫でる。
「良かった。
もう乱暴なことしないでね?」
「あぁ」
「あ、あそこ酒屋みたいだね」
「そうだな、入るか」
たまたま目に入った酒屋。
「俺は酒買って来るからナツキはここで待ってろよぃ」
「私も行くよ」
「いや、俺1人で良い。
酔っ払いに絡まれたくはねェだろ?」
「確かに...」
「そういうことだ」
ポンポンと頭を撫でる。
「行ってらっしゃい」
「あぁ」
酒屋に入って行くマルコを見送り、改めて周りを見回す。
街は人々で賑わっている。
...女性が少ない。
周りを見る限り、男、老人、子供。
若い女性の姿はほんの一握り。
そういう島...?
数日前に降りた時は花に夢中で気づかなかったけど。
「変なの...」
「おい、女」
ポツリと声を漏らせば、背後から声を掛けられた。
「何?」
「おい、どうする?
特別可愛い訳じゃねーけど」
「でも若い女だし、意外と気に入るかもしれねー」
「大佐様は許容範囲が広ぇからな」
振り返れば、武器を持った私服の男が3人。
「大佐って...もしかしてあなた達海兵?」
「いかにも」
「分かってんなら大人しく来て貰おうか」
正義の名に相応しくないような黒い笑み。
面倒なことになりそうね...。
溜め息を吐き、店内に居るマルコにどう伝えようか考えた。