第16章 繰り返される悪夢
「......あ」
「ん?」
「悪い、すぐ行くから先に行っててくれ」
「二度寝するだろ、ダメだ」
「〜〜、しねーよ!」
なぜかキレ気味に言われた。
寝起き悪ぃな。
「皆待ってんだ...て、おい、エース...」
俺の視線は剥き出しになっている上半身。
ではなくその下。
「あぁ、そうだよ。
朝勃ちだよ、悪いか!」
顔を赤くしたエースが吠える。
「抜いたら行くから出てけっ」
「悪い悪い」
ほんとに気づかなかったわ。
いやぁ、若ぇな...。
もう俺朝勃ちは......。
やめたぜ、こんなこと考えるの。
「マルコ、起きてるか?」
ノックと同時に扉を開けた。
「返事を待てよぃ」
マルコは起きてた。
「マルコ」
「なんだよぃ」
「お前、ナツキちゃんと何があった?」
「...ナツキが、何か言ったのかよぃ」
「いや、言ってねぇ。
俺の勘だ」
「そうか」
「詳しくは聞かねぇけど......大事な女を泣かせんなよ。
もう二度とな」
「煩ェよぃ、分かってる」
マルコなら大丈夫だとは思うけど、一応な。
「起きてんなら食堂行こうぜ、皆腹空かせて待ってる」
「あぁ」