第16章 繰り返される悪夢
存在感のあるそれが引き抜かれ、開放感にホッとしたのも束の間。
秘部に熱く硬いものが宛てがわれた。
「っ、待って、マル...ッッ」
慣らされていないところへ強引に自身が埋め込まれていく。
「いッ...あッ......」
「おっと、暴れるなよぃ」
ミシミシとまるで割って入って来るかのような痛みに、身体は拒絶反応を示す。
侵入を拒もうと身を引けば、それは手首を拘束する布にはばかられる。
布が皮膚と擦れ、チリ...と痛みが生じた。
でもそんな痛み、比じゃない。
この裂けるような痛みに比べれば。
無理矢理自身を埋め込まれ、休む間もなく動き続けるマルコ。
痛みに目が眩み、胸が苦しい。
マルコも結局はセックスしたいだけなのかな...。
身体も心も痛くて、いっそのことこのまま意識を飛ばしてしまえればどれだけ楽なことか。
「うっ...ッ...あ...」
「はっ...」
動きが早まり、マルコから漏れる息も荒くなって来た。
最後に強く奥に打ちつけられ、震えるマルコを感じながら願った。
このまま消えてしまいたい。
「......マルコ」
後処理をしているマルコに掛けた声は、掠れていた。
「出てって」
「...ナツキ」
「出て行って!」
欲を吐き出して少し冷静さを取り戻したであろうマルコに声を荒らげる。
覇王色の覇気を剥き出しにして威嚇する。
「......分かったよぃ」
すまなかったな、と悲しげに笑い部屋を出て行く。
「謝るくらいなら...最初からこんなことしなければ良いじゃない......バカ...」
零れ落ちる涙を拭うことをせず、泣き崩れた。