第15章 釣りと魚と好き嫌い
エースが去り、間髪入れずに尋ねられる。
「質問に答えろよぃ」
「どうして怒ってるの...?」
「分からねェのか?」
「ごめんなさい...」
腕組みをして立つマルコの目には、ハッキリと怒気が伺えた。
「分からねェなら、身体に教えてやるよぃ」
「え?」
ドサリとベッドに身体が沈んだ。
目の前には、馬乗りになるマルコ。
状況が理解出来ない。
これじゃあまるで...あの時のソレだ。
「や、何...?」
マルコの表情が分からない。
「エースとの話、途中から聞いてた」
「!」
「覚悟は出来てんだろうな」
それは...エッチしたいかって言ったことだよね...?
マルコのこと相談したの、全部聞かれてた...?
みるみる内に顔に熱が集まっていく。
噛みつくようにキスをされれば、あの時のことが蘇る。
「っ、や...」
怖い。
目の前に居るのが、マルコなのにマルコじゃないような...そんな気さえしてしまう。
「やっ、ンンッ」
拒否の言葉を紡ごうと口を開けば、好機とばかりに舌が侵入して来た。
ヌルリとした柔らかい舌が口腔内を自由に動き回る。
舌を絡め、吸い、食み、時折唾液を流し込んだ。
「ンン...は、ぁ...」
呼吸が苦しくなって強く抵抗する。
「マルコ...やめて......」
そう伝えれば、元々険しかったマルコの顔に、額に青筋が浮かぶ。
「エースは良くて俺はダメなのかよぃ」
「言ってる意味が...」