第15章 釣りと魚と好き嫌い
一方マルコは、ナツキを部屋へ送ったあと食堂に戻って来た。
「よぉ、マルコ。
ちょっとお兄さんに付き合いなさいよ」
「お兄さんて歳じゃねェだろ、サッチ」
食堂に戻るなり肩を組むサッチ。
どうやら酒が入ってるみてェだ。
呑ませたのは...イゾウかよぃ。
顔が笑ってやがる。
「分かったから、絡むなよぃ」
ナツキ以外に絡まれても嬉しくねェ。
「まぁ、呑めよ」
ジョッキに並々と注がれていく琥珀色を見つめながら、溜め息を吐いた。
面倒くせェ...。
「ところでマルコ」
グイッと大きく酒を煽ったサッチが口を開く。
食堂は人払いでもされたのか、俺達しか居ねェ。
「ナツキちゃんとはどこまでヤッたんだ?」
「ぶっ...!」
直球な質問に、思わず呑んでいた酒を喉に詰まらせた。
「同じ部屋に恋人と一緒、そう聞いてなんもねぇっていう方がおかしくねぇか?
どうなんだよ、マルコ」
「煩ェよぃ。
サッチに言う必要ねェだろ」
「ナツキちゃん綺麗だもんな。
さぞ可愛いんだろうよ。
羨ましいぞ、コノヤロ」
「ナツキで変なモン想像すんな」
「嫉妬か?」
ゲラゲラと笑われる。
「手出さな過ぎて欲求不満になって他の男のとこ行っても知らねぇぞ?」
「それはねェよぃ」