第15章 釣りと魚と好き嫌い
「付き合ってるよぃ。
だからお前ら、間違っても手...出すんじゃねェよぃ」
マルコに手を引かれ、食堂を出た。
「すまねェよぃ」
「何が?」
「何がってお前...」
「あぁ、気にしてないから、そういうの。
慣れっこだし」
「慣れるなよぃ」
「仕方ないじゃない、そういう環境で育って来たんだから。
マルコも似たようなものでしょう?
私はそんなに脆くないから、気にしなくて良いわよ」
そう笑えば、マルコは少し怪訝そうな顔をした。
「...そうやってなんでも1人で背負おうとするの、直せよぃ」
「1人でやらなきゃ、生きていけないじゃない」
「1人で頑張らねェで、少しは歳上に甘えろよぃ」
「考えておくわ」
自分の部屋に戻ってから、小さく息を吐いた。
甘えるって、一体どうしたら良いのよ。
ベッドに脚を抱えて座り、考える。
「分かんない...」
前にマルコが一緒に居た女の人みたいに腕を絡ませれば良いのか。
でも腕を組んだところで自分のこのプロポーション。
嬉しい筈がない。
再び溜め息を吐き、考えることを放棄した。
エースにでも相談するか、それか甘える練習相手になって貰おうかな、なんて思いながら目を閉じた。