第14章 花の都
「ほら、部屋に戻って届いた荷物片付けろぃ」
「はーい」
まだ一緒に居たかったけど、大人しく言うことを聞いた。
あんまりワガママ言い過ぎて呆れられても嫌だし...。
「わぁ...」
部屋は思っていたよりも広く、そして届いたばかりの荷物で溢れ返っていた。
「片付け...と」
自由に置かれた家具や小物を動かしていく。
「おーい、ナツキー」
「あ、エース。
どうしたの?」
「なんか手伝うか?」
「え?いや、悪いよ」
「でもお前が今運ぼうとしてるそれ、持てるのか?」
私が動かそうとしているのはベッド。
「うーん...頑張ればいける...?」
「無理すんなって。
どこに運ぶんだ?」
「そこの隅だけど…」
「やるぜ」
「でも、重いよ?」
「このくらいどーってこと...うぉ!?重てぇ」
「大丈夫?」
「大丈夫だ!
ちょっと待ってろよ?」
「うん」
エースが急いで部屋を出て行く。
「待たせたな!」
「なんだよぃ、エース。
手伝って欲しいことって」
戻って来たエースの後ろに居たのはマルコ。
「ナツキのベッド運ぶの手伝って欲しいんだ」
「ベッド?
ま、良いけど」
マルコとエースがベッドの端を持ち、隅に移動させる。
「これで良いかよぃ?」
「おう!ありがとな」
「エース、マルコ、ありがとう」
「気にすんなって」
「良いってことよぃ」