第14章 花の都
花を見に行く。
「この辺で綺麗な花を見れる場所はあるかよぃ」
「ん?
あぁ、それなら...」
マルコが通行人に問いかける。
「ありがとよぃ」
手を引き、何も言わずに歩いて行った。
「着いたよぃ」
「わっ、凄い!」
着いたところは、一面花が咲いている丘のようなところ。
色とりどりの花が沢山咲いている。
「ここは穴場らしいよぃ。
気に入ったか?」
「うん!」
綺麗な花に囲まれて過ごす時間は幸せで、でもあっという間で。
「...そろそろ帰るか」
「もう...?」
「病み上がりの身体であんまり動き回るのは良くないよぃ。
また次の島でも花見れるところ探すか?」
「探す!」
「分かったよぃ」
じゃあ行くぞ、とクシャリと髪を撫でられた。
後ろ髪引かれる思いで丘をあとにする。
「ねぇ、マルコ」
「ん?」
「部屋が出来たら…もう一緒に寝ることないんだよね?」
「寂しいのか?」
茶化すように笑う。
「寂しいよ」
「...寂しくなったらいつでも来い。
部屋は隣だし、別に会えなくなる訳じゃないよぃ」
「じゃあ今夜一緒に寝よ?」
「それは出来ねぇ」
「どうして?」
「さぁな。
理由は自分で考えろよぃ」
「...マルコのケチ」
「なんとでも言え」
話している内に船に着いた。