第14章 花の都
「決まったよ、マルコ」
「なら、さっさと買うよぃ」
「分かった」
マルコが全部お金を払ってくれた。
「お金本当に良いの?
ちゃんと返すよ?」
「気にすんなよぃ」
「...分かった、ありがとう」
譲らないマルコに、私が譲ることにした。
ここは大人しく買って貰おう。
そして代わりに今度何かお礼をしよう、と心に決める。
「船に届けて貰うようにしたけど、どこか他に行きたい場所あるか?」
「お花!」
「本当花好きなんだな」
と、マルコが笑う。
「うん、好きだよ。
心が癒されるから」
そんなマルコの表情に少し胸が暖かくなる。
マルコの笑顔はやっぱり、私にとって特別みたい。
「なら、とっとと行くよぃ」
と、手を差し出した。
この差し出された手は握っても良いのかな。
それとも...。
「ねぇ、マルコ」
「嫌じゃねぇなら勝手にするぞ。
嫌なら言えよぃ」
そう言って私の手を握ると、歩き出した。
なんだ、握っても良かったんだ。
やっぱり恋愛って難しい...。
「何しかめっ面してるんだよぃ。
楽しめ、せっかくの花だろ?」
「そうだね、ごめん」
気持ちを切り替える。
さっきの家具屋で買ったのはベッド、テーブル、照明、クローゼット。
そしてなぜかマルコのオススメで小型の冷蔵庫。
なんで冷蔵庫がオススメなのかと尋ねたら、お酒などをいつでも飲めるからだと言われた。
私はそこまでお酒を飲む方じゃないけど、せっかくなので買って貰った。