第14章 花の都
「とりあえずあそこかここ、どっちの家具屋が良いかよぃ」
「え?うーん...」
マルコが言ったお店を見る。
1つはシンプルで大人っぽいお店、もう1つは可愛らしいピンクのお店。
「あっち!」
シンプルなお店を選ぶ。
「分かったよぃ」
シンプルなお店の方が値段も安そうだし、何よりかさばらない。
女の子らしいのが嫌いという訳じゃないし、むしろ好きだけど...部屋はなんとなくシンプルにまとめたい。
「金は心配するな。
だから好きなモン見ろよぃ」
「分かった、ありがとう」
マルコの言葉に甘え、遠慮なく家具を見る。
「マルコ、見てるだけだと暇だしどこか見てくれば?」
「いや、良い。
何よりもうナツキから目を離さねぇよぃ」
「まぁ、マルコが良いなら良いけどね。
あ、これ可愛い」
自分の物でもない家具を見るなんて、暇なことこの上ないだろうに。
店内をグルグルと1周する。
その中で気になるものの目星をつけておく。
「決まったかよぃ」
「まだだよ」
後ろを歩くマルコに答える。
「飽きた?」
「別に」
マルコも飽きてそうだし、早めに決めた方が良いのかな。
そろそろ全部を見終わったし、気になるものも決めてるからすぐ。