第14章 花の都
マルコの曇った顔を気にかける暇もなく、上陸準備は着々と進んでいく。
「ナツキ、そろそろ行くよぃ。
エースも着いて来るんだろ?」
「あー...俺はやっぱ良いや。
お前ら2人で行って来いよ」
二カッと笑うエース。
「エース、急にどうしたんだよぃ」
その笑顔を訝しげに見つめるマルコ。
「2人で行かせろってイゾウが言うからよ。
だから、行って来い!」
「そういうことねぃ」
「行って来る!
エース、時間あったらまた探検しようね」
「おう」
錨を下ろすと、早速島に降り立った。
花の都と呼ばれるだけあって、色々なところに花が咲いている。
「綺麗...」
「何モタモタしてるんだよぃ」
「あ、ごめん。
花が綺麗でつい...」
先を歩くマルコの元まで小走りする。
「多分すぐ部屋は出来ると思うよぃ。
実際、扉を作るぐらいだしな」
隣まで追いつくと、マルコが話し始めた。
「そっか、あっという間なんだね」
「あぁ。
何買うか決めてるかよぃ?
ちなみに金は心配要らねぇ」
マルコの話を聞きながらも、周りをキョロキョロして花を探す。
「おい、あんまりよそ見してると危ねーよぃ」
「ごめん、だって花が...」
「花なんかあとでいくらでも見れるだろ?
それこそ怪我や問題を起こさなければ」
「だからごめんって」
花を探しながら歩くことを諦め、大人しくマルコの後ろを着いて行く。