第14章 花の都
進行方向を見つめれば、島の姿がぼんやりと見えて来た。
「ねぇ、見て、島!」
「別に珍しいことでもねぇだろうよぃ」
呆れた顔をするマルコ。
「でも島に初めて上陸する時ってドキドキするじゃない」
何度経験しても胸が高鳴る。
「そうかよぃ。
おい、お前ら集まれ!」
マルコが皆を集める。
どうしたのかな。
「島に上陸しても問題は起こすんじゃねェよぃ。
それと船番はいつも通りのローテーションだ」
業務連絡的なものをしてる。
やっぱりマルコって大変なんだな。
チラリと横目で、皆と話すマルコを見つめる。
「ローテーション...?」
「ん?
あぁ、ナツキには言ってなかったかよぃ」
一時的に集まった皆が、話を終えてそれぞれの持ち場へと戻っている途中。
「うん、知らない」
ローテーションとは一体...。
「船番はいつも隊ごとのなってんだよぃ。
今回の島では5番隊、ジョズのとこだ」
「そっか。
私はどこの隊になるの?」
「そういや決めてなかったな」
と、頭を雑に掻いた。
「お前的にはどこの隊が良いとかあるかよぃ」
「え?
うーん.....特にはないかな。
誰のところでも良いよ」
「そこは俺のところが良いって言えよぃ、バカ」
ポン、と軽く頭を叩かれた。
「私何かまずいこと言っちゃった?」
「いや、気にすんなよぃ。
ただのオッサンの劣情だ」
「う、うん」