第13章 能力
飛び続けてから早数時間。
マルコの飛行速度が少し落ちた気がする。
「マルコ」
「...気づいちまったか?」
「うん。
やっぱり、疲れちゃんと取れてないでしょ。
その上そんなに飛び続けたら体力が...」
「煩ぇよぃ、別にこのぐらい大したことねぇ」
そうは言っても...。
「黙って見てるだけ、やって貰うだけなんて、そんなの嫌なの」
より身体をマルコに密着させた。
手は炎の中に入れる。
「何する気だよぃ」
「黙ってて」
目を瞑り、神経を集中させる。
「!
力が...なんで...?」
「簡単なことよ。
マルコの疲労度と私の疲労度を交換したの。
体力も少し添えて」
「何してるんだよぃっ」
「大丈夫。
だから、お願い、早めに船に...」
流石にマルコの疲労度と、体力が減っている今は少し辛い。
「分かったよぃ」
思いの外身体が重く、グタリとマルコの身体に体重を預ける。
「私の能力の1つ、治療。
その治療にも種類はあるの」
「それは今話さねぇといけないことか?」
「出来れば今、私の意識のある内に聞いて欲しい」
「分かったよぃ」
マルコが頷くのを見て、再び口を開く。