第13章 能力
「う...」
「とにかく俺より自分を治せよぃ。
俺は能力使えば治る」
「私は自分を治癒することは出来ないの」
マルコの肩口に手を宛てがった。
「は?
出来ねぇ?」
「う、うん。
私の能力は4つ。
翼の再生、他者の治癒、炎を操る、そしてもう1つ
これはまだ明かせない。
でもその1つが、私に5億なんて懸賞金がついている理由」
そう、それ以外の能力は海軍からしたらどうでも良いこと。
たった1つだ。
たった1つ、その能力の為に私は何年も逃げている。
何か罪を犯した訳でもなかったのに。
「...そうかよぃ。
なら、話せるようになったら教えてくれ」
「ありがとう、マルコ」
会話を終える頃にはマルコの治癒を終えていた。
「...マルコの能力はさ」
「ん?」
「ううん、なんでもない。
痛みとか大丈夫?
一応治ってると思うんだけど」
「あぁ、大丈夫そうだよぃ」
「そっか、良かった」
スッと肩口から手を離した。
「俺の能力は、その名の通りだよぃ。
不死鳥の能力を使える。
いかなる攻撃も炎と共に再生する。
まぁ、再生出来る限度もあるけどねぃ」
「良いの?話しちゃって」
「別に構わねぇよぃ。
知られて困るもんでもねぇしな」
「そっか。
良いな、マルコの能力。
こういうこと言うべきじゃないんたろうけど、ちょっと羨ましい」
「何言ってるんだよぃ」
ワシャワシャと乱暴に頭を撫でられる。