第3章 4月
「ふぅ〜」
どんなに忙しくても、湯船には浸かる。
そうしないと疲れが取れないような気がしてしまうから。
…お腹が空いているのではやく出たいが、出ると話をしなくてはならない。
別に、言いにくいことでもなんでもないのに。
どことなく緊張しているような、変な気持ちだった。
「…出るか。」
身体を拭いてパジャマに着替え、頭をタオルでゴシゴシしながらダイニングへと向かった。
「あ、ゆうきさん。ごはんにしましょ〜!」
「はーい!」
にこにこしながら食卓へ出来上がった夕食たちを並べる夢芽ちゃん。
自然と俺の顔も笑顔になった。
「「いただきますっ」」
二人の声が、部屋に響いた。