第5章 朝日
次の日、私はまだ日が昇る前に目が覚めた。
「あー…目、やっぱり腫れてるなあ」
昨日あれだけ泣いたのだから、当たり前と言ったら当たり前だ。
「よしっ」
あまりにもすっきりと目が覚めたので、冷たい水で顔を洗いそのまま行動を始めた。
まだ寝てるだろうゆうきさんを起こさないよう、なるべく音を立てないようにゆっくりとベランダへと向かった。
カラカラ、と窓を開けて外に出る。
……春とはいえ、この時間はまだ肌寒い。
すーっと抜ける風を浴びながら、私は目を閉じた。
「私も、あの世界に行ってみたい。」
私の心に新しく芽吹いた想いを照らすように、地平線からは朝日が昇りはじめていた。