第3章 4月
「「ただいま〜」」
無意識に同時に同じ言葉を発し、2人顔を合わせて笑った。
「お腹すいた〜。ゆうきさん、ご飯にしましょう!」
「そうだね。」
ぱたぱたとキッチンへ向かう夢芽ちゃんの背中を見ながら、どのように話を切り出すか考えていた。
「ゆうきさん、はやく〜!」
「はいはい。今いくよ!」
スリッパに履き替え、キッチンに立つ。
そして夢芽ちゃんから手渡されたお米を研ぎ、炊飯器にセットした。
手際よくにんじん、たまねぎ、じゃがいもを切っていく夢芽ちゃん。
「お、これはカレーですね?」
「さすがゆうきさん!あたり!」
「じゃあ俺はサラダの準備しよっと」
冷蔵庫からサニーレタスを出し、軽く水で洗う。
……なんか、こういうのいいなあ
一人だった頃は簡単に済ませちゃうことが多かったから、こうやって料理をするのが楽しい。
それに、となりに一緒に料理してくれる人がいるっていうのがまた良い。
……サラダを盛り付け、炊き上がったご飯をほぐす。
夢芽ちゃんはもう少しカレー煮込みたいと言って、先に俺をお風呂へ行くよう促した。