第1章 嵐の予感
――――――同時刻、イタリア『ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアー』本部にて
「XANXUS様、ただいま馳せ参じました」
「…………」
鋭い視線が私を射抜く。
無言の重圧、ああこの人と二人きりは胃が痛くなる。
次の言葉を。そんなことを口にしたら間違いなく私の首が跳びそうだね。
「ルイーザ」
「はっ」
「日本に行け」
「えっ! ……と、言いますと?」
突然何を言い出すのかねぇ、このボスさんは。
私はあくまでもフリーの情報屋なのに。だからこの依頼は普通に考えれば断るべきでしょうね。でも断れない理由が私にはある。
「……ボンゴレ10代目を名乗るガキが日本にいる」
「はぁ……」
「探ってこい。……情報はテメェのカスにあげろ」
「……しかと承りました」
「以上だ。さっさと出てけ」
「はい、失礼いたします」
扉を閉め切り、リビングみたいなところのソファーに腰かける。まったく横暴な人なんだから……。