第1章 嵐の予感
「小さいときはよくわからなかったけど今考えるとおかしいことばかりでさ、だいたい2年間1度も帰ってこないなんてあり得ないよ!
あんな父親……今更帰ってこられても。
は――――――……っ」
ツナの吐き出した本音に2人はどうしようかと少し思い悩んだ。「10代目……」獄寺はそう呼び掛けるしかなく山本も「んー……」と悩み始めた。
「なあ」
そこでついに山本が口を開いた。
「このまま遊びに行かね!?」
「ナイス野球バカ! そうしましょう10代目!!」
「ええ!?」
獄寺は一体山本をほめてるんだろうか貶しているんだろうか。
「あんま家庭のこととか考えすぎない方がいいっスよ」
「ご……獄寺君……」
「オレんちなんかもっとドロドロのグチャグチャですしね!!」
(笑顔ですごいこと言い出した!!!)
獄寺の爆弾発言にツナは口にしないも大変驚き困った。そこではっと思い出したことがある。
「でも学校……」
「どーせ今日補習だけだろ?」
山本とツナは補習仲間である。
「そうっスよ、世の中日曜日ですし。たまには息抜きも必要っス」
「そっか。日曜日ならみんなよぶか」
「アホは呼ぶなよアホは」
そんな2人の掛け合いを見ながらツナは2人が気を遣ってくれたのだと感謝するのであった。